トリブラ エステル 帝国士民服

注意・とんでもなく材料費がかかると思いますので作る前に買い物リストを作って
お店で各お値段を確認なさってから製作されるかどうかを御検討くださいね(^^;)

今回は「貴族様のお屋敷に仕える従士」ということ、
その従士によってその家のレベルが判断されるということがあるので
私のイメージとしては主を御守する騎士とかなんだろうなぁ〜...と思いましたので
「高級感のある素材」にすることにしました。
まあ上を目指せばキリがないのでお財布と相談しつつどこまでこだわるか決めましょう(^^;)。

パニエを作る。
まずパニエを作ります。
好みの丈の土台布を作り、チュールを1段、その上にカフェカーテンを縫い付けます。この辺のボリュームはお好みですが、あまり膨らむ必要が無いのでチュールの長さは3M〜3.5Mくらいでいいと思います。
このパニエのボリュームに合わせて型紙を起こしていくので先に作った方が良いと思います。

パニエですね。

後ろにはすでに1回目の裁断の布を合わせてボリュームの確認をしています。

今回はチュールを中に1段だけ入れました。

絵型を作る。

イラストですね。
正面、サイド、後ろ、小物のアップなど、正確なバランスで描きましょう。
それで細部やデザインを確認します。
どこにダーツを入れる予定だとかも書き入れておくといいでしょう。

絵型ですね。
今回はかなり適当ですが、ようするに自分がデザインを確認する為に描くので自分さえ分かればいいのです。
これを見ながらパーツを確認しています。

まあこの辺はいらないかも(^^;)
直接資料を見ながらの方もいらっしゃると思います。

(関係ないですが色調補正かけすぎでジュータンが妙な色に(^^;) うちのは明るいグレーなのに〜)

型紙。(スカート)
私の場合はまずは面積が大きくて早く進んだような気持ちになれるスカートから作ることにしました。
そんなわけで型紙を引きます。白い部分の模様も正確に入れましょう。
引いたらまずは安い布で仮縫いをしましょう。
私は本番の布でいきなりやって組み立てたら失敗していました(泣)
仮縫いをしてみてパニエにあわせてみましょう。
バランスは大丈夫でしょうか?
納得がいかない場合は型紙をやや微調整しつつパニエに合わせていきましょう。
型紙の引き方にコツはありません。
これはもう、身に付けていく技術です。
優秀なパターンナーさんが手掛ける型紙は1パーツで何万、何十万といわれるくらいで
型紙の出来によって全体の仕上がりの80%は決まると言っても過言ではありません。
どんなに縫製が綺麗でも形が悪かったら遠くからでも「なんかおかしい...」と感じちゃうのです。
裁断。(スカート)
本裁断です。
布は基本的になんでもいいのですが、これからの作業を考えるとある程度しっかりとした布だとやりやすいと思います。私の場合は「色、質感、縫いやすさ、キャラの現実感」を考えて選びます。今回はブライダルサテンを使用しました。
普通のサテンと違い、控えめで上品な光沢と肌触りがあり、見ただけでその高級感を感じることが出来る布です。
価格はピンキリですが1Mにつき¥1600〜12000位が相場です。
ここで重要なのは高価=良いという選び方ではなくて自分のイメージする質感にいかに近いものかで選びます。いろいろ吟味しましょう〜。
もちろんサテンじゃなくても別珍やベルベット、ハイミロン、化繊など、イメージするものは人それぞれなので納得のいくものを選択すると良いと思います。
まずは黒い布を裁断。
そして白い布も同じ型紙で裁断。
接着芯も裁断。
この時点で同じ型紙で裁断したものが3種類出来ています。
接着芯は白い布に全面に貼ります。
そして型紙を再度白い布に当てましょう。
ここで注意ですが、このやり方は「2度と同じ型紙を使うことが出来なくなります」ので1点ものの場合にしかお勧め出来ません。今後も作りたい場合は手間ですが型紙を移して保管用を作っておきましょう。
さらに型紙を当てたまま、白地部分の模様に合わせて布ごとカットしていきます。接着芯を貼っているので白い布はかなりかっちりと切れます。
切り終わったら余りの白い布はとりあえず残しておきましょう。
身頃の時に使えるかも知れません。
切り抜いた模様を黒い布にあてて待ち針で止め、ミシンで縫い付けます。
これは黒い布を切ったあとに白い布と接着芯を同じ型紙で切って、白い布に接着芯を貼ったあとに再度型紙を合わせて模様に沿うように型紙ごと裁断したところです。
バツっとね。
もうこの型紙は使用出来ません。

アイロン台の上に乗っていますが別にアイロンをかけるわけではありません。

黒い布に裁断した白い模様を乗せてピンで止めます。
これを止めるように際をミシンで縫いましょう。
特に内側の際は1ミリくらいの位置が望ましいです。

(アイロンカバーこげています(^^;) ちなみにこのカバーは熱反射が凄く高いのでお勧め。1枚¥1000くらい?)

縫製(スカート)
白い模様の縫い付けは限り無くキワを縫いましょう。かなり手間がかかりますが2時間もあれば全部縫い付けられますので
ガンバ!!
白い模様を縫い付けたら脇をロックミシンでかけます。
ロックミシンはちゃんとこまめに色を変えましょうね(^^;)
たまに全部同じ色の糸でかけちゃう人がいるので(笑)
ロックが終わったらサイドやダーツを縫って繋げます。ほら。スカートの形がなんとなく出来て来ました。
これは白い部分を縫い付けたところ。
端はまだ処理していません。
最後にバイヤスでくるむのでなるべくかさ張らない厚さにするのに切りっぱなし状態です。
内側の切りっぱなしのところの処理は後日。

白い部分の縫い付けが終わったらロックミシンをかけて全部つなげます。
これは後ろスカート。

縫いしろはきっちりアイロンします。

スカートをボディに待ち針で合わせてみました。

ハイウエストにしているのでスカートが長くみえますが、実際は50センチ丈くらいなので160cmくらいの人なら膝丈ですね。

ウエストシェイプ!!シェイプ!!(笑)
ダーツは入れましょうね。

インナー(仮縫い)

さて。次はインナーですね。
ここは上着でほとんど見えなくなるところですがキエフ候邸宅でのくつろいでいるバージョンも出来るように
手を抜かずに飾りもしっかりつけるつもりで作っていきます。
そうすれば暑い季節にもノースリバージョンが出来、1着でいろいろバージョンが楽しめちゃう衣装になるのです。
まあ、これをやるにはやはりその分の材料費がかかるので「フルバージョン以外はやらない」予定の方は
いろいろ省略しちゃってもいいかもしれません。

まずは仮縫い。
あまり変な布は使用されないことをお勧め致します(^^;)
裁断したら大きめの縫い幅でミシンをぱぱっとかけましょう。
自分用なら自分で着て鏡で合わせます。
裏にして着た方がいいですね。つまんでダーツを入れたり縫いしろを調節したり。
鏡を見てみて足したり引いたりしたほうが良い場所の確認をしたら忘れない内に型紙を修正しちゃいます。
今回は一発OKでしたのでこのまま本番用の裁断に移りました。
まずは白の模様付け。スカートと手順は一緒です。
スカートの時に残った接着芯付き白いサテンを使って取ります。

スカートは作り掛けですがここは放っておいて、今度はインナーの製作です。

まずはブロードとかシーチングとかで仮縫いをしてみましょう。
この場合はテロテロした布じゃないほうがいいです。
ちょうど家に黒のtcブロードがあったのでそれを使うことにしました。
シーチングとかでもいいですね。出来上がりの色と同じものならイメージも分ってさらにいいかもしれません。「どうせ捨てちゃうのに...」とケチッて買わないのはダメですよ(^^;)
失敗した時の出費の方が痛いですから。
仮縫いの場合は端の始末をしないので繋ぎ部分以外は縫いしろなしの原寸で裁断するといいかも。
ちなみに私は5cm以内なら2ミリ以内の誤差で目算出来るので印はほとんど入れません。仮縫い用なので思いきって裁断しましょ〜〜。そりゃ〜〜。

仮縫いが終わりました。
うん。ばっちりですね。
このまま修正無しで本番用の裁断に入れそうです。

模様付け

まずは白い部分のキワの始末をしました。
切りっぱなしでもほつれない布なら良かったのですが、ほつれまくる布なので始末が必要です。
技術がある人は初めから切り返しで作業しておきましょう(^^;)
そしたら始末の必要はないしめりはりが出来てとても綺麗です。
私は残念ながら苦手なので縫い付けにしてしまったので始末をする行程を入れます。
初めはミシン用刺繍糸で2ミリ幅で1cmにつき20針以上でたたいていくつもりでしたが、これは非常に手間と技術がいります。
技術はともかく2着同時進行の私にはイベントまでに間に合わせるという時間の制約の方が切羽詰まっていたのでブレードで始末することにしました。
ブレードはカーブが綺麗に出るものを選ぶといいですね。
1M¥200〜250くらいでありますがこの辺はお好みで選びましょう。40Mほど必要です。
これをミシン目に合わせて縫い付けていきます。
出来ましたか?出来ましたね?
お次ぎは内側のゴールドのラインです。これはたぶん全体で50Mくらい使うかもしれません。
このラインもお好みで選びましょう。カーブが綺麗に出るものがいいですネ。
私としてはもうちょっとかっちり角が出るものが欲しかったのですが残念ながら見つからず(><)
身頃は襟を縫い付けてからラインを入れます。
これが終わったら袖ぐりにレースを縫い付け脇を繋げます。袖ぐりは見返しをちゃんと入れましょう。

ラインの縫い付け。
ほら。なんだか豪華になってきました。

ちょっと合わせてみましょう。
雰囲気が出て来ましたね。

まだ身頃の脇や端の始末、ホックなど何もつけていないので待ち針で仮止めです。

ここまで出来てくるとなんだか嬉しいですね☆

しかしこの段階ではまだ全体の約20〜30%くらいしか進んでいないのです。

脇を縫いました。
見返しを付けたら2度めのレースを重ねます。

レースはお好みで選びましょう。

始末
大体の作業が終わったら端の始末です。
バイヤスで目落ちしないように縫い付け。
その後クリスタル(ビーズでも良いかも)など飾り付けをしていきます。
止め方などは着る人の一番やりやすい方法がいいと思うので隠しファスナー、隠し持ち出しにつけるボタンやスナップ、ホックなどお好みで。一番着脱しやすいのは隠しファスナーですね。

インナーはこれで9割完成ですね。
(まだ飾りなど、全部ついていません)

画像で見るとあっという間にここまで出来たように見えますが実際はこの飾り付けに至るまでに物凄く手間と時間がかかります。
作る人は覚悟しましょう。
会社勤めで時間が割けない人はここまでにおそらく10日〜2週間はかかると思います。
しかもこれでもまだ全体の3割くらいです。
面倒でも途中で投げ出さない気力と愛が必要です(^^;)


つづきへ。